[目   次][次ページ]

はじめに

誰もが
太鼓に酔い
舞人の後を舞いはじめる
神になり
鬼になり
憧れの主人公となって

遠い昔から
数え切れない 人が重ね
今も変わらない

神楽は
いつも『ふるさと』を語り
そこに暮らす『心の華』を伝える

時の
『炎』となって


現在、中国山地・広島の県北に伝わる神楽は、
古き良き時代の優雅な『伝統を守る舞』と、
新しい時代に対応する『創作的な舞』とが
お互い刺激し合いながら伝承されている。
どちらも、郷土芸能・神楽をより感動的で
魅力的な方向へすすめようとする『情熱』に変わりはない。
今、石見神楽を最高に感じるのは、
古い形の舞いであるとか、意表をついたものとかではない。
どんな演目でも、神楽人の生き様と情熱が
舞いの一瞬一瞬に凝縮され『心技一体』となって、
観る者の心を焼き尽くす「炎」となっている時である。
この写真集は、この情熱の『炎』が燃えさかる瞬間を
とらえたものである。
すべての神楽人に大声援を送り、誇るべき郷土の伝統として
次の時代へ受け継がれていくことを願っている。
Zero One Corporation